子供の頃から猫に縁があった。
よく拾ってきては、母親に叱られた。
でもまだ私は猫を幸せにしたことがない。
今の仕事に転職する前に、
たまたま就職した会社で、
猫を飼っていた。
10年事務で勤めたので、
そこの職場で年齢不詳の猫の
最期を初めて見届けた。
最初から成猫で拾って、
社長が14年飼った猫なので、
かなりのお婆さん猫だった。
何故か社長にはなつかず、
いつも私の側にいて、
パソコン作業の邪魔をしていた。
社長が拾った時は、栄養失調で
死にかけていて、人間不信がひどく、
捕獲するのが大変な作業だったらしい。
おばあさん猫は、亡くなる一年くらい
前から、私に異常に甘えるようになり、
私が職場にいる時は、片時も離れなく
なった。
ある日、社長がまた子猫を保護して、
連れてきた時に、私がミルクをあげたり
しているのを見て、ひどくやきもちを
焼いて、その子猫の目を引っ掻いて、
片目は失明してしまった。
そんな気の強いおばあさん猫を
私はとても愛していた。
ところが、新入りの子猫が来て、
急に体調を崩して、
二カ月後くらいに亡くなった。
私は随分後悔した。
もっともっと相手をしてあげれば
良かった、と。
子猫に構ってしまったことを
悔やんだ。
今はベルとマルを幸せにしてあげたい。
後から後悔しないように、
たくさん甘えさせてあげたい。
